ピックの製作にあたり, ZUM の 松浦眞九郎 氏からアドバイスを頂き,最初にプロトタイプを作ったのが,2003年の1月のことでした。この時はまだ ギター の演奏を支える ピック として使うには程遠いものでした。
2003年の2月に,スペインにおいて ギタークラフト の創設者である ロバート・フリップ 氏を交えてコースが開催されるという知らせがあり,プロフェッショナルの使用に耐えられるのかどうかと不安はありましたが,そこへ ピック を持ってゆく事にしました。
このコースにおいて, ロバート・フリップ 氏, ギタークラフト のディレクターである エルナン・ニュネス 氏, Big Time の マーティン・アギーレ 氏などから,お褒めの言葉と貴重なアドバイスを頂き,またヒントを得て改良を重ね,現在のタイプになるまで,さらに2年を要しました。
製作の段階で,ロバート・フリップ 氏が King Crimson のギグで,部分的にこのピックを使用して下さっている知らせは大変励みになったものです。
A Triangular Guitar Craft Picks のマテリアルは India Rubber という特殊な素材で,成形性が悪く,割れ易いという欠点はありますが, セルロイド などよりは硬く,鋭いピッキングに向いています。そして デルリン とも異なり音に鈍さがありません。それでいて音色は「 sweet 」で表現豊かであるという特徴があります。現在やっと満足のゆくものが出来ました。
Robert Fripp 氏から,次の様なメッセージを頂きました。
" Since 1987 I have been looking for guitar picks that are suitable for my own use, and that I am able to recommend to Guitar Craft students. These picks, by Mr. Iketani, are the first that I have found, and am most grateful to him. "
「 1987年以来,ずっと自分の演奏スタイルに合うピックを,そしてギター・クラフトの生徒たちに推奨できるピックを探してきました。 池谷氏制作によるこのピックは,まさに私が探し続けてきたもので大変感謝しています。」
製作にあたり,Robert Fripp 氏はもとより,ZUM Guitar Trio の 松浦眞九郎 氏,秦野文均 氏, Luciano Pietrafesa 氏, Guitar Craft Director であり Les Gauchos Allemands の Hernan Nunez 氏, Les Gauchos Allemands の Martin Schwutke 氏, Big Time の Marti'n de Aguirre 氏, Horacio Pozzo 氏, Claudio Lafalce 氏, Fernando Kabusacki 氏, Atomic Chamber Ensemble の Curt Golden 氏, California Guitar Trio の Bert Lams 氏,森谷英世 氏, Paul Richards 氏,Tokyo Guitar Circle の 斎藤憂太 氏, 荻島由紀夫 氏,その他大勢の クラフティー に感謝する次第です。
有限会社プレクトラム 池谷浩